まずは、明細を知ることから始めましょう。計算ミスを疑う前に、日本の給与システムにおける「引かれるお金」の正体を理解する必要があります。
一番多い勘違いは、「時給 × 時間」がそのまま振り込まれると思い込んでいるケースです。
もし「総支給額」の時点で自分の計算とズレているなら、それは労働時間のカウントミスです。逆に総支給額は合っているのに振込額が少ないなら、税金等の控除額の変動が原因です。
以下の割増賃金が正しく加算されているかチェックしてください。
[Check!]
22時以降に残業した場合、25%(残業)+ 25%(深夜)で合計50%アップになります。この「重複計算」が漏れているケースは非常に多いです。
「足りない気がする」という曖昧な訴えでは、会社は動きません。客観的な「証拠」を揃えて、ぐうの音も出ない状態を作りましょう。
以下の3つを机に並べて、1日ずつ照合します。
最もトラブルになりやすいのが休憩時間の自動控除です。
アドバイス
1分単位での支払いが原則です。「15分単位で切り捨て」などのローカルルールは法律上認められません。数分の端数も、1ヶ月分集めれば数千円の差になります。
証拠が揃ったら、いよいよ交渉です。ここで大切なのは、相手を「犯人」扱いしないこと。事務的な「確認依頼」というスタンスを貫きましょう。
いきなり「給料が足りません!」と言うと、相手は防衛本能で「いや、計算は合っているはずだ」と反論したくなります。
【LINE・メールで連絡する場合】
お疲れ様です、[名前]です。
今月の給与明細を拝見したのですが、勤務時間について1点確認させてください。 自分の手元の記録では合計[〇〇時間]だったのですが、明細では[〇〇時間]となっており、[〇円]ほどの差があるようです。
お忙しいところ恐縮ですが、お時間のある時に計算の根拠を教えていただけますでしょうか。 念のため、私の手元の記録をまとめた画像も添付いたします。
【対面で話す場合】
「店長、お疲れ様です。今月の給料のことで、私の計算が間違っているかもしれないので、一度照らし合わせのお時間をいただけないでしょうか?」
もし「うちはそういう決まりだから」「みんな納得している」と突っぱねられたら、そこから先は個人の力では限界があります。専門機関の力を借りましょう。
明らかに法律違反(1分単位で払われていない、割増がない等)がある場合の最終手段です。
労基署に行く前段階として、電話や対面でアドバイスをくれる窓口です。各都道府県の労働局に設置されています。
「これって違法ですか?」という素朴な疑問にも丁寧に答えてくれます。
「数百円、数千円のために騒ぐのは恥ずかしい」と思う必要はありません。そのお金は、あなたが自分の時間を削り、体力を使い、精神をすり減らして得た正当な対価です。
あなたが声を上げることは、自分のためだけでなく、同じ職場で働く仲間や、将来そこで働く後輩たちが適正な環境で働けるようになるための大きな一歩でもあります。
もし交渉して職場に居づらくなったとしても、法律を守らない職場に長居するメリットはありません。自信を持って、冷静に、あなたの権利を主張してください。