【ケース別】こんな時どうなる?イレギュラーなバイト代計算の全て
第1章:掛け持ち(ダブルワーク)の計算ルール
「A店で4時間、B店で6時間働いた。合計10時間だけど、残業代はもらえるの?」この疑問は、ダブルワーカーが最も直面する問題です。
1. 労働時間は「通算」されるのが原則
労働基準法では、事業主が異なっても労働時間は合算すると定められています。
- 残業代の責任: 原則として、「後から契約した会社」が、合算して1日8時間を超えた分の割増賃金(25%アップ)を支払う義務があります。
- 実態: ただし、現実的には各職場が他方のシフトを正確に把握するのは難しいため、自分で両方の時間を管理し、必要に応じて「今日は他で○時間働いてきたので、ここから先は残業扱いになります」と申告する必要があります。
2. 「乙欄(おつらん)」による所得税の罠
2カ所以上で働くと、どちらか一方が「主たる職場(甲欄)」、もう一方が「従たる職場(乙欄)」となります。
- 乙欄の税率: 乙欄で計算される給与は、最初から高い税率(約3.1%〜)で源泉徴収されます。
- 確定申告の義務: 2カ所合計の年収が103万円以下であっても、乙欄で引かれた税金を取り戻すには、翌年に自分で「確定申告」をする必要があります。これを忘れると、払い損になります。
第2章:イベント・単発バイトの「日払い」の罠
その場でお金がもらえるタイミーやイベントバイト。手軽ですが、明細をよく見ると「あれ?」と思う点があるはずです。
1. 源泉徴収が「多めに」引かれている?
日払いや単発バイトの場合、その日の給与が9,300円を超えると、税額表に基づいて所得税が源泉徴収されます。
単発の場合、会社側は「この人が年間でいくら稼ぐか」を把握できないため、法律に則って機械的に引かざるを得ません。
対策
1日単位で引かれた税金も、年間の総所得が少なければ確定申告で全額返ってきます。単発バイトでも「支払明細」は必ず保管しておきましょう。
2. 「交通費込み」 vs 「別途支給」の損得勘定
- 交通費込み: 見かけの時給は高く見えますが、その分「所得」としてカウントされるため、所得税や住民税が高くなるリスクがあります。また、社会保険の扶養判定にも影響します。
- 交通費別途: 実費分は「非課税所得」となるため、税金面では有利です。
賢い選び方:
往復の交通費が1,000円を超えるような遠方の現場なら、「別途支給」の案件を選んだほうが、手元に残る「本当の利益」は多くなります。
第3章:休業手当と有給休暇の「計算単価」の違い
お店の都合で休みになった、あるいは有給を使った。この時の支給額は、いつもの「時給×時間」とは計算方法が異なる場合があります。
1. 「平均賃金」という考え方
休業手当や、一部の有給休暇の計算には「平均賃金」が使われます。
$$平均賃金 = \frac{直近3ヶ月間の賃金総額}{その期間の総日数}$$
※ただし、シフト制の場合は「賃金総額 ÷ 労働日数 × 60%」という最低保障額と比較して高い方が採用されます。
2. 台風やお店の都合で休みになったら?
「台風だから明日はバイト休みでいいよ」と言われた場合、それが「使用者の責に帰すべき事由」(お店側の経営判断)であれば、会社はあなたに休業手当(平均賃金の60%以上)を支払う義務があります。
- 労働者側から「休みます」と言った場合は対象外ですが、お店から一方的にシフトをカットされた場合は、この権利を主張できます。
第4章:退職時の「最後の給料」でチェックすべきこと
辞める時こそ、最もトラブルが起きやすいタイミングです。
1. 有給休暇の「完全消化」
バイトであっても、半年以上継続して働けば有給休暇が発生します。「辞める時にまとめて消化する」ことは正当な権利です。
会社側から「うちはバイトに有給はない」「最後だから忙しくて無理」と言われても、時季変更権(休む日をずらしてほしいという権利)を行使する理由がない限り、拒否はできません。
2. 「制服クリーニング代」の天引きは合法か?
「クリーニング代として最後の給料から3,000円引いておくね」といったケース。
- 原則: 給与には「全額払いの原則」があり、労働者の同意や労使協定がない限り、勝手に天引きすることは違法です。
- ただし、契約書(雇用通知書)に明記されており、事前に合意している場合は認められるケースもあります。契約書を読み返しましょう。
結び:知識は武器。アプリで数字を、コラムで知識を補完しよう
バイト代の計算は、シンプルに見えて実は「知っている人だけが損をしない」複雑な仕組みで成り立っています。
- アプリで日々の労働時間を正確に記録し(数字の証拠)
- コラムで法律や制度の裏側を知る(知識の武装)
この両輪が揃って初めて、あなたは自分の労働の価値を守ることができます。もし「これっておかしいな?」と思ったら、その直感は大切にしてください。
登録不要!スマホで即計算
当サイトのアプリは、深夜・残業代の自動計算に完全対応しています。
給料計算アプリを開く