【ケース別】こんな時どうなる?イレギュラーなバイト代計算の全て

この記事の目次

第1章:掛け持ち(ダブルワーク)の計算ルール

「A店で4時間、B店で6時間働いた。合計10時間だけど、残業代はもらえるの?」この疑問は、ダブルワーカーが最も直面する問題です。

1. 労働時間は「通算」されるのが原則

労働基準法では、事業主が異なっても労働時間は合算すると定められています。

2. 「乙欄(おつらん)」による所得税の罠

2カ所以上で働くと、どちらか一方が「主たる職場(甲欄)」、もう一方が「従たる職場(乙欄)」となります。

第2章:イベント・単発バイトの「日払い」の罠

その場でお金がもらえるタイミーやイベントバイト。手軽ですが、明細をよく見ると「あれ?」と思う点があるはずです。

1. 源泉徴収が「多めに」引かれている?

日払いや単発バイトの場合、その日の給与が9,300円を超えると、税額表に基づいて所得税が源泉徴収されます。

単発の場合、会社側は「この人が年間でいくら稼ぐか」を把握できないため、法律に則って機械的に引かざるを得ません。

対策

1日単位で引かれた税金も、年間の総所得が少なければ確定申告で全額返ってきます。単発バイトでも「支払明細」は必ず保管しておきましょう。

2. 「交通費込み」 vs 「別途支給」の損得勘定

賢い選び方:
往復の交通費が1,000円を超えるような遠方の現場なら、「別途支給」の案件を選んだほうが、手元に残る「本当の利益」は多くなります。

第3章:休業手当と有給休暇の「計算単価」の違い

お店の都合で休みになった、あるいは有給を使った。この時の支給額は、いつもの「時給×時間」とは計算方法が異なる場合があります。

1. 「平均賃金」という考え方

休業手当や、一部の有給休暇の計算には「平均賃金」が使われます。

$$平均賃金 = \frac{直近3ヶ月間の賃金総額}{その期間の総日数}$$

※ただし、シフト制の場合は「賃金総額 ÷ 労働日数 × 60%」という最低保障額と比較して高い方が採用されます。

2. 台風やお店の都合で休みになったら?

「台風だから明日はバイト休みでいいよ」と言われた場合、それが「使用者の責に帰すべき事由」(お店側の経営判断)であれば、会社はあなたに休業手当(平均賃金の60%以上)を支払う義務があります。

第4章:退職時の「最後の給料」でチェックすべきこと

辞める時こそ、最もトラブルが起きやすいタイミングです。

1. 有給休暇の「完全消化」

バイトであっても、半年以上継続して働けば有給休暇が発生します。「辞める時にまとめて消化する」ことは正当な権利です。

会社側から「うちはバイトに有給はない」「最後だから忙しくて無理」と言われても、時季変更権(休む日をずらしてほしいという権利)を行使する理由がない限り、拒否はできません。

2. 「制服クリーニング代」の天引きは合法か?

「クリーニング代として最後の給料から3,000円引いておくね」といったケース。

結び:知識は武器。アプリで数字を、コラムで知識を補完しよう

バイト代の計算は、シンプルに見えて実は「知っている人だけが損をしない」複雑な仕組みで成り立っています。

この両輪が揃って初めて、あなたは自分の労働の価値を守ることができます。もし「これっておかしいな?」と思ったら、その直感は大切にしてください。

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